ノルウェージャンフォレストキャットについて
RIENとノルウェージャン
ノルウェージャン・フォレスト・キャット(NFC)に興味を持ってくださって有難うございます。
私が惚れに惚れ込んでしまった、NFCたちのの魅力を知っていただけたら嬉しいです。
私がNFCと暮らし初めた2001年頃は、この猫を知っている人はとても少なく、
何軒かの動物病院にうちの猫たちを連れて行きましたが、
この猫を知っている獣医さんはほとんどいませんでしたし、
知人とペットの話題になったときも、知っている人が少ないので説明が大変でした。
2005年現在、NFCオーナーやブリーダーの数がとても多くなり、
この猫を知っている人もずいぶん増えたように思います。
私はネットで偶然NFCの仔猫の写真を見て一目惚れしてしまいました。
ふわふわの毛、聞き耳を立てているような大きな耳、何かを語りかけるように見開かれた目。
やんちゃで好奇心が強そうで、絵本の中で何か冒険をはじめそう・・・・・・。
はじめてのNFCが我が家に来たとき、そのおおらかさと人懐こさに驚きました。
はじめての場所なのにまったく物怖じせず、先住の犬や猫ともすぐ仲良しに。
そして、大人になっても永遠の少年・少女といった感じで好奇心や愛嬌が衰えません。
さまざまな表情を見せてくれるので、写真を撮るのもとっても楽しいです。
こんなに美しく性格がよい猫がいることをもっと早く知りたかったと思います。
03年、04年とヨーロッパのキャットショー見学やブリーダー宅訪問の機会がありました。
容貌もカラーも本当にさまざまなNFCたちに会うことができ、感動の連続でした。
その時に撮影してきた、たくさんのNFCの写真もどうぞご覧下さいませ。
↓こちらは新しいウィンドウが開きますので、ご覧になったらウィンドウを閉じて下さい。
2022年に、久しぶりにこのページに手をいれているのですが、このページを作成した2005年頃は、
自分が猫カフェを始めることも、
当時住んでいた東京都中野区から、世田谷区等々力へ、さらに桜新町へと移転することも、
ましてや、コロナ禍で家賃が払えなくなって那須に移転するなんて想像もしていませんでした。
(移転できたのは、クラウドファンディングにご協力くださった皆様のおかげです。
中野→等々力→桜新町→那須の移転の経緯は、「About RIEN」をご覧ください。)
以前、ヨーロッパのブリーダーさんたちを訪ねた時、庭に猫が遊べるスペースを設けていて、
私も、いつか庭で安全に猫を遊ばせてあげたい、
猫たちに雪遊びをさせてあげたいと思っていたのでした。
那須のRIENには、75平米のウッドデッキがあります。
もちろん、フェンスとネットで囲って、猫が脱走できないようにしています。
猫たちは、ウッドデッキが大好きで、雪が降ると大喜びです。
そして、そんな猫たちを見ていると、私は本当に幸せです。
ノルウェージャンと暮らし始めて20年以上が過ぎましたが、彼らは今でも私を魅了し続けています。
私のウェブサイトをご覧になった方が、NFCを好きになってくださったらとっても嬉しいです。
彼らはほんとうにおもしろいいいヤツばかりで、
一緒に暮らしたなら毎日が楽しくなること間違いなしだと思います。
あなたも、この森の猫と暮らしてみませんか?
ノルウェージャンフォレストキャットの歴史
ノルウェージャン・フォレスト・キャット(以下NFC)は、北欧神話に登場するほど長い歴史を持つと言われています。雷神が地上から猫を連れ去ろうとしたところ、あまりに重くて連れ去ることができなかったという話や、愛と繁栄を司る美貌の女神フレイアが2匹の大きな猫に車を引かせていた、という話に登場する猫がNFCの祖先だと考えられています。
こんなに昔から北欧の人々に親しまれてきたNFCですが、その起源については不明でいくつかの学説があるようです。動物学者によると、野生猫が生息できる北限はスコットランドで、スカンジナビアに土着の野生猫はいなかったそうです。有力とされる説は、バイキングが東洋のビザンティン帝国との間に通商用の航路を持っていた11世紀頃、交易品として猫がトルコからノルウェーに連れてこられたというものです。ノルウェーの猫の毛色は、ヨーロッパでは滅多に見られないけれど、トルコでは多く見られるそうです。
長毛の大型猫は寒さの厳しいスカンジナビアの気候に適していたこともあり、ネズミ退治のために飼う農家が増えました。戸外で飼われた猫たちがさらにスカンジナビアの厳しい自然に対応できるように進化していったと考えられています。11世紀に東洋から連れ込まれた猫が数百年の間に進化・変化して今日のノルウェージャン・フォレスト・キャットの姿になったとは、壮大な歴史を感じますね。昔はノルウェーの森には数多くのNFCが暮らしていたと考えられていますが、次第にその数が減り、ついには種として消滅してしまう寸前までになったそうです。
1970年代にブリーダーや愛好家の間で保存の努力が始められ、新しい猫種として基準が定められました。1979年にアメリカに一対が送られ1984年に公認されて以来、アメリカでも人気が高まっています。ヨーロッパではワイルドなNFCが好まれ、アメリカでは上品でかわいらしいNFCが好まれる傾向にあるようです。以前はヨーロッパの猫団体とアメリカの猫団体のNFCスタンダードは大きく異なっていたようですが、最近はアメリカのそれがヨーロッパのものに接近しつつあるようです。
外見の特徴
NFCの一番の特徴は、そのゴージャスな被毛にあります。ライオンのたてがみのような首周りの飾り毛やキツネのようにふさふさの尾は、ワイルドさと優雅さを感じさせます。北欧の厳しい冬を乗り切るにふさわしい、羊毛のようなアンダーコートと先端が脂性で水や雪をはじくガードヘアのダブルコートになっています。冬季には密度も長さもたっぷりしていますが、春~秋にはアンダーコートがごっそり抜け落ちて短毛種かと思うような外見になる子もいます。
そして多くのブリーダーが重視するノルウェージャンの特徴が横顔です。まっすぐな鼻筋と分厚いあごこそ、ノルウェージャンの特長であり魅力であると多くのブリーダーが口をそろえます。すっと通ったまっすぐな鼻筋は高貴さを感じさせ、がっしりと分厚いあごはたくましさを感じさせます。
その他の特徴を簡単にまとめると、正三角形の頭(耳の先端と顎を結ぶラインが正三角形)、大きめの耳、アーモンド型の目、がっしりとした筋肉質のボディということになるでしょうか。大きさはオスで4.5~7キロ、メスで3.5~5.5キロくらいです。毛色は実に豊富で、ブラウン、シルバー、ブルー、レッド、クリームなどのタビー、ブラック、ブルー、ホワイトなどのソリッド、これらのバイカラー、スモーク・カラー、シェーデッド・カラーなどがあります。メイン・クーンとよく似ていますが、メイン・クーンの鼻筋は丸くカーブしているのに対し、NFCの鼻筋はまっすぐなのが一番大きな違いでしょう。また、メインクーンのボディは長いのですが、ノルウェージャンのボディは少し詰まった印象です。
性格の特徴
性格はとてもおだやかで優しく、賢い猫です。名前を呼べば返事をしたり走り寄ってきたりする子が多く、「とってこい」「おすわり」程度なら覚えてしまう子もいるようです(当キャッテリー出身猫で「お手」をする子もいるんですよ!)。性格や環境にもよりますが、家族以外の人間や他の動物に対してもフレンドリーな子が多いようです。
しかし、非常に運動神経がよく活発な猫であり、「おとなしいだけの猫」ではありません。もともと木登りが得意な猫ですから、カーテン、網戸、人体、なんでも登ってしまいます。ジャンプ力もすぐれていますし、かけっこも大好き。他の長毛猫を飼っていらっしゃる方が我が家に遊びに来たときに、その活発さに驚かれます。少なくとも2歳くらいまではやんちゃであることは間違いないでしょう。NFCは多くの猫図鑑などに「おだやかな猫」と紹介されているようで、誤解されている方もいらっしゃるようです。一部の短毛猫のように性格が荒い・きついわけではない、という点では「おだやかな猫」ですし、鳴き声は控えめであまり鳴かない、という点では「静かな猫」です。しかし、朝晩に運動会をしたり、押入の中や戸棚の上などどこでも探検したがる好奇心旺盛ないたずらっ子です。一緒に暮らしていてとても楽しいですが、静謐を好む方や家を荒らされたくない方にはお勧めできないかもしれません。
お手入れについて
多くの猫図鑑には、「長毛の割に毛玉になりにくく手入れが楽」といった記述が認められます。たしかにその通りですが、個体差があり毛吹きがとてもよい子や毛質がやわらかい子は、腋、股、襟巻きなどに毛玉が出来やすいことがあります。また、お尻周りが汚れやすい子もいるようです。これらの場合は、こまめに櫛を入れてやるしかないでしょう。ショーに出さない場合はお尻周りの毛を少しカットしてもいいと思います。静電気の起きやすい冬場は、ブラッシング剤などを使うこともお勧めです。もし、毛玉ができてしまった場合は、毛の根元を押さえて毛玉の先からコームやスリッカーで根気よくほぐします。それでもダメな場合は思い切ってハサミでカットするしかありません。
また、夏になるとごっそりと毛が抜けて短毛猫のようになる子もいます。春~初夏にかけての抜け毛は覚悟しておいたほうがよいでしょう。こまめに櫛を入れたり、シャンプーしたりすることで余分な抜け毛を早めに取り除いてやりましょう。そうしないと、部屋が毛だらけになるばかりか、猫が毛繕いの際に飲み込んでしまう毛の量も増えてしまいます。
さらに、ノルウェージャンの毛は脂っぽくなりやすいのがひとつの特徴です。去勢していない雄猫は特にしっぽにコールタールのような脂が浮いてくることがあります(スタッドテール)。シャンプーは脂をしっかり落とせるものを使うとよいでしょう。
アンバーカラーについて
過去に書いた記事「アンバーカラーについて」をどうぞ。
参考文献
「世界の猫図鑑」(山と渓谷社)
「猫種大図鑑」(ペットライフ社)